Queen of Darkside ~魔の家~ 感想

私が愛してやまない憂楼を制作したハーベストの次作。
ファンタジーものとして安定のクオリティ。
ビジュアルアーツ系列ははずれが少ないね。(ZEROを除く)

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1997年の作品だが、憂楼とは異なりWindows10で問題なく起動。
ただ、この時代のビジュアルアーツ作品の例に漏れずディスクレスでは音が出ない。
VA作品は1999年を境にディスクレスが可能になる。
バックログなし、スキップ有り、既読スキップなし。

憂楼がRPG系の(ポケモンに近い)作品だったことに対して、本作はノベルゲー。
いや、これをノベル「ゲーム」として良いのかは微妙である。
本作には選択肢が存在せず、全くの「ノベル」なのだ。
ビジュアルノベルという表現は間違っていない。
ノベルに絵が付いているためだ。
一般には「ゲームを終了」と表示されているボタンも、「本を閉じる」となっている。
だが、ゲームとすることにはいささか無理がある。
現在でいうところのロープライスの抜きゲであればまだわからなくもないが、本作はフルプライス。
前作のようなゲームを期待していた人々には肩透かしであっただろう。

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ハーベストがこのような路線に走ったことからも、1997年、Windows移行期は所謂ゲーム性のあるゲームというものが廃れてきたちょうど転換期といえる。
PC88/98までは、ゲーム性をユーザーが求めていた。(はっちゃけあやよさん等を除く)
だが、VAやLeafの台頭によってそれらが崩れ、泣きゲを中心としたノベルゲームが主流となる
その中でも作品を出し続けたアリスソフトやエウシュリーの努力が光るね。

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肝心の内容だが、憂楼ほど印象には残らない。
それをK-INABA先生の綺麗なCGでカバーしている。
舞台は憂楼と似たようなもので、中世のヨーロッパかどこか。
魔法が存在するという設定。
奴隷のエトナが一番可愛い。
…この時代の例に漏れず非処女ではある。
2000年代初頭まで非処女ヒロインは普通に存在するのだが、ユーザーにアレルギーはなかったのかね。
憂楼のアズサは完璧なヒロインだったのだが。

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K-INABA先生のセーラー服は最高ですね。

展開にはキレがあり読みやすい。
退屈することは一切なかった。
人物の立ち絵が瞬きするなど、随所に工夫が見られた。
このライターのエンディングに余韻を持たせるところが非常に好みだったね。
もう少しHシーンのテキストに力が入っていれば尚良かった。


全体として

ノベルゲームとしては首をかしげざるを得ないが、作品のクオリティは高い。
K-INABA先生の絵に外れはないね。
今でも信者だが、当時を生きられたらと思うと辛い。
ハーベストは次作の「無惨」を最後に解散しているが、次作もプレイしてブランドの評価としたい。