Camera Eyes 感想

UNCANNY!の処女作。
期待を大きく上回るクオリティであった。
少なくとも自分には刺さった。

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Windows10で動かしてみたがインストールすら不可であったので、WindowsXPで起動。
CD-DAであるので、ディスクレスでは音が出ない仕様。
BGMのみ存在し、ボイスはなし。
システムはかなり簡素なもので、既読スキップは無論のこと、ありとあらゆるものが省略されている。
次作の「空のたかく」ではそれなりに改善されている。

修正ファイルはUNCANNY!公式サイトのIAに落ちているので、そちらを適用する必要がある。
適用しなければフリーズするバグが発生する。

1つのENDにつきおよそ1時間ほどかかる。
難易度はかなり高めなので、攻略を見ながらプレイすることを推奨する。
UNCANNY!公式サイトのIAから序盤の最難関ともいえるルートの攻略情報を見ることができる。

陵辱シーンは存在するが、全く抜けないので注意。
現実的なロリ系の絵柄がメイン。

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ゲームについて

連続婦女暴行殺人事件の捜査を行っている主人公・惣介とその親友・賢治。
惣介が真相に迫る様子が描かれている。

惣介は、賢治とともにサイコドラマを行うことによって、賢治の内側を知る。
賢治の内面、それはほとんど「ミキ」で埋め尽くされている。
「ミキ」とは誰なのか。
二人にとって「ミキ」とはいったい何者なのか。
それがこの作品のすべてといっても過言ではない。

サイコドラマとは、主にロールプレイを用いる心理療法である。
今作では、惣介と賢治がお互いを演じている。
徐々に明らかになる賢治の倒錯性。
印象的だったENDとしては、やはり惣介が賢治に飲み込まれるENDであろう。
いや、賢治の内面に存在する「ミキ」だろうか。

「ミキ」は、惣介と賢治双方に居る。
故人は生きている者の内面に記憶として存在する。
だが、彼らは記憶ではなくそこにいる人物として「ミキ」を扱っている。
賢治は、彼女を潜在的に想うあまり彼女を自ら歪めてしまった。
一方で惣介は、その凄惨さから彼女を封印した。

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ここで、ヴァイツゼッカードイツ連邦大統領の言葉を引用する。
過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になる。

惣介に関して言えば、この言葉はそのまま当てはまる。
彼の行動に一貫性はない。
賢治ではどうなるのか。
2通りの解釈ができる。

一つは、過去に目を向けすぎているがために、現在が破綻してしまっていること。
つまり、「過去に囚われている者は結局のところ現在を生きているとはいえない。」ということになる。

もう一つは、過去に目を向けているとは言え、「ミキ」が陵辱されたという事実を直視していないこと。
ただその潜在的な後悔から、「ミキ」を一種の強迫観念としている。
作中で、賢治は「ミキ」が陵辱されたことについて積極的に明言はしていない。
これは私の推測であるが、陵辱の事実を賢治もまた、封印した。
彼も過去に目を閉ざしていたのだ。

惣介と賢治が初めて過去を直視した時、「ミキ」が現れる。
その時彼女はようやく成仏できたのではないか。
彼女は紛れもない本物であったと私は信じたい。
極めて爽快感のあるTRUE ENDであった。


全体として

少しの期待を抱いて購入したが、予期せず名作をプレイできたなという印象。
他サイトのレビューを2件ほど発見したが、どれも散々な評価である。
だが、私の感性にはかなり刺さった。
サスペンスものが好みの人には合うのではないだろうか。
引き続きこのブランドの作品をプレイしていく。