DEEP VOICE 感想

パッケージに描かれている看護師姿のヒロインに惹かれて購入。
キャラゲーだと思っていたのだが、まさかのサスペンスだった。
プレイヤーを飽きさせない内容で、名作である。

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CROSSNETから2001年に発売された本作。
開発はApRicoTであり、ここまでシリアスな内容であるとは思いもしなかった。

Windows10で問題なく起動。
だが、CDDA方式であるため、ディスクレスだと音が出ない。
既読スキップ、バックログもあり、システムに不満点はなし。
また、主人公以外フルボイス。
CGは、この時代では最高レベルの美しさを誇る。

シナリオについて

まず、タイトル画面からして不気味である。
女の子の笑い声が聞こえてくる。
舞台は精神病院。
始まってもしばらくはほのぼのとしているのだが、どこかやはり怪しげな雰囲気がある。
まずここで、パケ絵である葵が最高のヒロインであることに気づく。
ルックスも然ることながら、ツンデレ属性を持っている。
しかも、ちょうど良いツンデレ具合。
主人公との仲を聞かれてあたふたする姿なんかグッとくるね。

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最初は本当に何が何だかわからない。
進んでいくにつれて少しずつ見えてくる。
ただ、攻略は非常に難しい
攻略サイトを見ながら進むことが必須であるほどには。
ボイス選択肢というものがあるのだが、これらは数秒で消えてしまう。
このシステムはなかなか斬新であるが、所見では確実に詰む。

各ヒロインの魅力が、非常に伝わってくる。
おそらく、本作がただのキャラゲーであっても十分に楽しめたであろう
ライター陣とキャラデザの技術が上手くかみ合っていた。
自分は一番葵が好きなのだが、檜(仮)もかなり良かった。
ルートの最後のインパクトがすさまじいのだ。
幼馴染はやはり正義だね。
彼女が意識を取り戻す瞬間は最高であった。

以下からは少し考察に入らせていただく。
まず、檜、ミドリ、碧であるが、彼らは自分を守るために自身の心を閉ざしたと考えて良いだろう。
これはプレイしていれば理解できることであるが、では碧は、なぜミドリではなく碧なのだろうか。
それは彼女が、本来の自分を完全に失いたくはないという潜在的意識を持っていたからではないかと考える
無論院長が名乗らせなかったという可能性もあるが、自らが完全に彼女にはなれなかったということを指しているのだ。
他社に依存してしまう「彼女」の精神をもってしても、完全に自分を失うことができなかった。
洗脳され利用された者の、最後の抵抗であるというのは穿ち過ぎであろうか。

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妃呂子は完全に謎キャラであったが、宏が焼却されていることを見るに、脱出に成功したものと思われる。
結局最後まで謎キャラであった。
知りすぎた亜紀や宏が殺されることはまだ理解できる。
では、何故ヒロイン(サブキャラクター)が殺害されていくのか
碧は、院長と共に殺したと告白して自殺する。
確かにただの口封じとも受け取れるのだが、どこか腑に落ちない。
自分は、檜の中にかすかに存在するミドリの意識が、院長にそうさせたような気がしてならないのだ。
ミドリは、想っている男の子が好きになった女の子や仲良くなる女の子のことが潜在的に許せなかったのではないか
だからこそ、それを敏感に察知した院長が、消滅する彼女へのせめてもの手向けとして、殺害を実行したのではないかと。
もしくは、碧が院長だと思っていた人物が、実はミドリを過去犯したときと同じ状態に陥っている主人公の巧で、上記の理由から彼女たちを手にかけた…。
などと考えてしまうのである。
こんなことはあくまで推測でしかないので、単なる考え過ぎであるとは思うのだが。
そうであれば尚面白いなと思うわけで。


Hシーンについて

CGが綺麗なので意外と抜ける。
構図も結構良かったりする。
ただ、尺が短いので、そこだけが残念
もう少し尺があれば完璧であった。


全体として

この時代にはこのようなダークな雰囲気のエロゲが多く存在したのだろうなと。
自分はこういった雰囲気の作品が好みなので、最近の作品でもこういった雰囲気のものが増えればと思うのだが。
今と昔では求められている作風が違ってきているのかね。
いずれにせよ、過去のApRicoTの作品をさらにプレイしていきたい。