想い出の彼方 感想

PL+USより2作目に発売された本作。
想い出というテーマについて深く考えさせられる内容であった。
ただ、非処女ヒロインが多すぎてメンタルが逝った。

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2000年発売であるが、Windows10でも問題なく起動。
ネクストン系列だけあってシステムに不満点はなかった。
この時代に既読スキップがあって感動したね。
また、主人公以外フルボイスという点もポイントが高い。
ここまでしっかりしているエロゲは90年代後半、00年代初頭ではなかなかない
ただ、CD-DA方式なのでディスクレスは不可。
ディスクレスだと音声が出ない

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シナリオについて

タイトルに想い出とあるように、この想い出がどのルートにおいても争点となる。
攻略ヒロインは段階を追って解放されるのだが、やはり最初の2人が印象深い。
美緒と葉耶香の2人である。
この2人は親友でありながら恋敵
そして2人とも、過去に囚われている。
主人公も含めた、3人がいかにして過去と訣別するか。
その過程が痛いほどに伝わってきた。
自分が好きなのは、葉耶香ルートである。
自殺したはずの彼女が、なぜ主人公の目の前に現れるのか。
社会的に殺されたはずの彼女が、何故。
ここに、タイトルの意味を見出した。
想い出」とは、文字通り想いが出るという意味ではないのかと。
思いと想いの差異化である。
無論過去の思い出という意味合いもある。
だが、この作品においては、感情の発露という意味が強い。
そうであれば、想いが身体の外に出たときに結ばれるという今作のヒロインに共通していることにも納得できる

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では、有紀ルートで結ばれないENDが存在するのは何故か。
それは、主人公自体が、自分に正直でなかった場合に至る悲劇である。
まだ自分自身の想いが固まっていないにもかかわらず、好きなどと軽々しく言うべきでない、という制作陣の意思を感じる
有紀は幼馴染としてかなり魅力的だったので、かなり好みのヒロイン。
過去との訣別という意味では、縁ルートも強い。
バツ1とかいう地雷設定を背負った彼女が、思い出と決別し、想い出を表に出す。
この構成自体は鮮やかであった。
だが、如何せん旦那がいたというのは辛い。

つまり、この作品における想い出とは、思い出との訣別を図った末に現れる自分自身の感情のことである
彼方、とは、思い出の先、あるいはまだ遠い想い出について述べていると考えられる。


非処女設定について

本作では、驚くべきことにヒロイン5人中3人が非処女である。
葉耶香はまだ良い。
父親に無理矢理犯されたという悲劇があるから。
縁についてはバツ1という設定が酷すぎるが、ストーリーとしても良かったのでこちらも微妙なライン。

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だが、一番あり得ないのはひふみである。
後輩ヒロインが処女を失ったのは援助交際であるという。
この設定は救いようがない。
本作は複数ライター制であり、2名のライターが存在する。
どちらかが、この地雷設定を適用したのは間違いない。
ルートによって質に大きく差が出ていた。
それにしても、幼馴染の有紀が処女で本当に良かった…。


全体として

作品としては、十分に名作と言えるものである。
ただ、ライターによって作風が異なっているのが明確になりすぎていることや、ルートごとの横の繋がりが最初の2人を除いて皆無であったことなど、問題点は多々ある。
だが、その中でも、想い出というテーマに一貫性があったので、プレイヤーの心に響く作品になっている
このメーカーの作品を引き続きプレイしていきたい。