憂楼 Transient Sands 感想

ビジュアルアーツ系列のハーベストから、PC98版が1996年に、Windows95対応版が1997年に発売された作品。
批評空間データ数も2と、全く知名度がない作品である。
しかし、作品の質は非常に高く、かなり楽しむことができた。

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偶然秋葉原トレーダー本店で見かけ、パッケージに惹かれて約4000円で購入。
少々高めではあるが、自分の感性を信じて正解であった。

タイトルの憂楼(ユーロウ)とは、作品の舞台である都市の名称である。

この頃のビジュアルアーツ作品の例に漏れずディスクレスは不可。
起動はするがディスクレスだと音が出ない。

まず、Windows10で起動してみたのだが、まともに動作しなかった。
一度Windowsボタンを押し、その後もう一度ゲームに戻ると、エラーを吐いて画面が固まってしまう。
画面が真っ黒になり、全く動かなくなるのだ。
さらに、ゲームトップ画面に存在するSTARTやLORDが押せない。
これではゲームができないので、WindowsXPで試してみた。
が、Windows10と似たような挙動を起こしたため断念。
結局、Windows98で動かすことによって解決した。
大体Windows95対応のゲームで、Windows10で動かないものや挙動がおかしいものは、これまでの経験則からWindows98なら動く

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ゲームの進行は、ADV形式とRPG形式に分かれており、RPG形式の方はポケモンをイメージするとわかりやすいかと思う
敵との対戦では、基本的に攻撃は体当たりすることで勝手に武器の力が発揮される。
これが意外と楽しい。
レベリングも全く苦ではない。
自分でマップを移動する必要があるので、慣れるまでは少し大変かもしれない。
キャラクターがイベントで言及する場所のヒントをしっかりと聞くことが攻略の近道である
一本道なので、選択肢等の攻略というよりもストーリーを先に進めるという意味での攻略が少し難しいように思う。

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また、パソコンのスペックや環境によるかもしれないが、初期設定のままだとRPG形式での移動スピードが速すぎるため、タイトル画面からDirectXの設定で、デフォルトだとソフトウェアモードになっているものをビデオメモリを選択する必要がある。メインメモリでもかなり速い。
ビデオメモリにすることによって、まだ少し速いもののかなり改善される。
当時のパソコンでは初期設定のままでもちょうど良かったのだろうと推測される。


ゲームとして

総プレイ時間は15時間ほど。
現在では全く見られないタイプのエロゲ。
自分で動かす必要があるという。
これが全くプレイヤーを飽きさせない。
さらに、シナリオも良く練られていて楽しめる。
また、メインヒロインのアズサがかなり可愛い
セーラー服におしとやかさも含みつつ明るい性格で、少し嫉妬するところも良い。
キャラクターデザインも最高である。
これぞ真のメインヒロインである。
全てのメインヒロインは、これくらいの魅力がなくてはならない。

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さらに、一定の間隔でHシーンがぶち込まれるので、それも良いアクセントになっている。
そういった意味で近いのはランスかも。
抜き性能も十分。
当時のプレイヤーはこのエロゲかなり使えたのではないだろうか
かくいう自分も何度か抜いた。
BGMも場面の雰囲気に非常にマッチしている。
シナリオ、キャラデザ、グラフィック、システム、音楽、これら全てにおいて高クオリティである。
現在でも通用すると個人的には感じた。
音声が付いていないことはこの時代において仕方ないのだが、非常に惜しい。
まさに隠れた、埋もれている名作
欠点が存在しない、エロゲとして完成された素晴らしいゲームであった。


全体として

このような作品に偶然出会えたことに感謝する。
自分が初めて出会うタイプの作品であったが、ここまで楽しめるとは。
なぜこれほどまでに知られていないのか
ビジュアルアーツの作品であるのに。
本当に惜しい。
このゲームをPC98に留まらず、Windows95でも発売したビジュアルアーツ・ハーベストに心からの敬意を。
制作陣への賞賛をもって、この記事を締めさせていただきたいと思う。