すみれ(ねこねこソフト) 感想
ナルキスミレの前にプレイした方がよさそうだったのでプレイ。ねこねこソフトは初作品。
独特の雰囲気があったように思う。
社会からドロップアウトしたエロゲーマーとしては、この作品は刺さるものがあった。
ヒロインの境遇が自分に当てはまるのだ。
また、全く期待していなかったのだが、意外とエロくて抜けた。
最初に一つだけツッコませて…ヒロイン2名ほど中高生エロゲーマーだったってことで良い?
すみれ
典型的ボッチ陰キャ。いやもうホント、中学生の頃を思い出した。
彼女の場合は、目に見えたイジメは行われていないけれども、ほぼイジメと変わらんわね。
無視とはそれすなわち無意識下での嫌がらせだし。
クラスの余りものは大抵自分だったし。
自分とすごく重ね合わせられるんだわ。
イジメでも受けて人間不信、対人恐怖症にでも陥らないとエロゲーマーになんかならないよな。
クラスメイトと話すのが怖かったし、クラスメイトに後ろ指を差されてそうで怖かった。
学校に行きたくなかったし、教師ですら敵に思えた。
そんな経験を持つ少なくないであろうエロゲーマーのトラウマを思い出させるエゲつない鬼畜ヒロインなのである。
「うるさい…」から始まる描写は心が震えた。
少なくとも自分はこのようなメンタルは持てなかった。
あのすみれは、どのヒロインよりも輝いていた。
魅せ方が上手すぎるんだわ。
主人公社会人で、JKとそういう関係になるというのは夢が詰まってて好き。
いや普通にアウトなんだけどね。
社会人であんなJK飼えたら最高じゃないか。
しかもエロいしかわいいし。
現実の学校にもこんな女子がいたのかねぇ。
雛姫
仕方ないとはいえ、すみれをも上回る陰キャ。というかひねくれてるというのかね。
序盤は本当に不快感ばかりだったのが、終盤にかけて可愛くなっていくんだわ。
あのどん底から引っ張り出した主人公、なかなか主人公してるなという感じ。
でも義父とはいえ親父があんなことになったらそりゃ荒むか…。
最後の方はかわいかったしエロかったね。
ピンクのテンションは好き。
あーいう女の子は接しやすいし。
中身はこんなだとは思わなかったけど。
あかり
正直この子メインヒロインだよ。ある種幼馴染みたいなもんでしょ?
過去のエピソードといい素晴らしい。
主人公にはこの子が一番合ってる。
まさかあかりがキーマンだとは思わなかったけど。
お姉さん気質なところに惹かれたかな。
終盤、あの女の子が出てきたところから??となっていたが、最後にようやく理解できた。
なるほど、あかりは主人公にある種の鎖をかけていたのか。
それが影響して引きこもりに…。
その清算をしたかったのね。
結局彼女の眠り病とは何だったのか。
真にそうなる運命だったのか、嘘が真となったのか。
目の閉じた世界END、主人公が待ち続けるわけだけれども、あれは嘘が真になった瞬間だったように感じた。
そこまではあくまで仮病だったのでは?と。
彼女は本当の意味で眠り姫になってしまったんだなぁ。
このルートは素晴らしい構成で感嘆させられた。
さくら
アホなところが可愛い。こんな妹愛でるしかない。
変にませていないところも高評価。
妹がICBM(InterContinental Ballistic Missile)とか言い出したら流石にお兄ちゃん心配になるぞ。
なんで大陸間弾道ミサイルとかこの歳で知っとるんや…。
全体として
すみれルートはおそらく刺さらないオタクはいないと思われる。「ナルキッソス」もそうだが、非常にテンポが良いので進めやすい。
冗長な感じが全く感じられないのが素晴らしい。
この間「黄昏のフォルクローレ」をプレイしたが、文章が冗長すぎる、展開が遅すぎる、で全体を見れば(特にラスト)おもしろいものとなっているのに、そこに至るまでが長すぎてユーザーに良い印象を与えられていなかった。
最近そういった作品が多く感じる。
所謂キャラゲーを除き、無駄を極限まで削り、かつ登場人物の心情や周囲の様子を完璧に描写できるライターは本当の実力の持ち主なのだろう。
でなければ「ナルキッソス」において、あの1時間というプレイ時間であそこまで泣ける作品は完成しないはずだ。
同様の理由で、今年でいえば「和香様の座する世界」や「アオナツライン」も高く評価している。
これらは非常にテンポよく、かつ人間関係・背景を丁寧に描いていて完璧な締まり方をしていた。
話が逸れたが、すみれも締め方は完璧である。
伏線の回収の仕方といい、ヒロインの境遇といい描き方が秀逸。
ナルキッソススミレも早いことプレイしたいと思う。
コメント