マブラヴオルタネイティブ 感想

マヴラブとともにSteamで購入。
アツい展開が多く引き込まれた。
懐古厨がよく持ち出すのも頷ける。


muvluvalter



情報量が多すぎて何から書けば良いのか難しいところではあるが…
かなりおもしろかったとだけは確実に言える。
エロ助なら100点付けるレベル。
本作品の前にマブラヴをプレイすることは必須である。


初戦闘まで

マブラヴUNLIMITED編とほぼ内容は同じだが、同じ過去の記憶を持つ武は無双する。
これ最近よく見る異世界転生最強主人公系の先駆けと言えなくはないのでは…?
と言いたくなる展開。
UNLIMITED編では割とポンコツだった武だが、この世界ではなんか最強なので、武ではないような違和感が大きかった。
後ほど、これが武だよな、と納得するわけだが。
一番気になったのは、天元山の救助活動に参加しなかったこと。
こういう思考の時は何しても上手くいかないんだよな、と思わせるフラグとも言えた。
後々冥夜にも散々指摘されるところで。

そして夢に純夏が出てくる。
なぜかこの世界に純夏はいない。
霞だけが関係していそうで、自分は当初、霞が純夏なのか?と考えた。
UNLIMITED編での
「タケルちゃんにはわからない!」
がどう言う意味なのかあの時はまだ全く不明だったため。
徐々にプレイヤーに純夏を恋しく思わせるような描き方は素晴らしかった。

12・5事件

この世界の日本は日本帝国(大日本帝国ではない)、戦前・戦中と似通った雰囲気を持っていた。
この事件は、1932年の五・一五事件、1936年の二・二六事件をモデルにしたものと考えられる。
特に二・二六事件が大きな影響を与えている。
理由は、首謀者が沙霧大尉であるが、二・二六事件の首謀者の幹部は陸軍大尉が最高階級であったこと。
五・一五事件は海軍中尉が中心となった。
また、戦闘区域に箱根が含まれたこと。
当時、牧野伸顕前内大臣の別荘が箱根・湯河原に存在し、戦闘状態となった。

ここで、二・二六事件との間に動機に関する大きな違いは存在しない。
二・二六事件では天皇親政、本事件では皇帝に任命された征威大将軍親政を求めるもの。
そして、それらの動機に対して同意する声が多くみられたことである。
沙霧大尉の部隊は内閣の主要閣僚を皆殺しにする。
その後、将軍の鎮静化への命令が全く伝わらなかったこと、将軍を差し置いて仙台に臨時政府が置かれたことが、将軍の立場を如実に表している。
つまり、ほぼお飾りの将軍であったということだ。
かつて戦前・戦中の日本において、天皇陛下がどれほどの権力を持っていたかについては様々な説が存在するが、少なくとも天皇陛下の反乱軍鎮圧の意思が実行されたことから、この世界での将軍は間違いなくお飾りであると言える。
このような状況下で、かつての陸軍皇道派のような連中が立ち上がらないわけがなかった。

ここで留意すべきことは、米軍の介入が見られたことである。
箱根からの脱出には米軍の介入が不可欠であったためだ。
この描写というのは、これからの日本を憂いたものなのかもしれない。
戦争に敗北→自国を守ることすら自軍ではかなわない→日米安全保障条約による庇護→日米安全保障条約破棄という悪夢→G弾投下(原爆投下と関連付けている)→国連軍基地建設→米軍の再介入(内政干渉)という悪夢が日本を襲っているのだ。
愛国心を持つ者たちにとって、屈辱以外の何物でもなかったことは想像に難くない。
現実にあり得るかもしれない状況を、ゲーム内で表現しているに過ぎないのである。

冥夜の説得は、これ以上ない彼女の内面の表面化と言える。
彼女は影だが、完璧な影となるべく自身の中で奮闘していたことが容易にうかがえた。
将軍に薬を投与できなかった武とはいえ、ここでは主人公としての役割を果たしていた。
冥夜は本当にカッコよくて、儚かった。

余談だが、米軍戦術機の愛称についても印象に残った。
というのは、ラプター(F22)やストライクイーグル(F15E)、などといった愛称が、現実の戦闘機と同じくつけられていたのだ。
思わず声が出てしまった。

イルマ少尉は、彼女の知らぬ内に催眠をかけられていた。
たまとの関係性は見ていて良かったがために、彼女の死は少なからず自分の心にキた。
(その後の展開でそんなことは忘れてしまったが)

この事件後、将軍親政が実現するとともに、日本帝国陸軍にとっては過激派ともいうべき連中を一掃できたということになり、また、米軍の介入を未然に防ぐことができた。
このような筋書きを、一体誰が裏で糸を引いて描いていたのか、想像には難くない。
これ以降彼の登場はほとんどないが、結果的には正解だったと言わざるを得ないだろう。
底の見えない人物である。

結局沙霧大尉と慧の関係はどのようなものだったのか…。
はっきりはしなかったな。
恋愛関係にはなかったと信じたい。

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引き離されても心で繋がっている姉妹は尊いわね…。


オルタネイティブ4計画

オルタネイティブ4計画が3の後継とは理解できても、その中枢となるべき00ユニットとは何なのか、一体どのような武器を用いるのか、といったことは全く明かされない。
そのため、この段階でプレイヤーはその漠然としたイメージのまま、先に進める。
00ユニットの存在が明確に明らかになった時にその効果は最大限に発揮される。
先が気になるような展開の運び方としては秀逸だった。


横浜事件

ある意味マブラヴのイメージを決定づけるような事件。
どこで来るのか、かなり身構えていたが、本当に唐突で面喰った。
主人公がヘタレ、とも言われるが致し方ないだろう。
彼は対BETA戦闘が初であったのだから。
このゲームにおいて、主人公武がヘタレだと言われがちだ。
だが、自分はむしろ人間味が溢れていて、成長していく姿が明確になっており、現在巷を跋扈している最強系の主人公と比べてより楽しめるように感じる。
古い漫画によくありがちな展開ではあるが...。(例:往年の名野球漫画・キャプテン)
話が逸れたが、まりもちゃんの死の画像はPTSDによるフラッシュバックとして何度も出てくるので、プレイヤーのメンタルを削り、また、プレイヤーの心にマブラヴという作品を深く刻み付けたことは間違いない。
まりもちゃんクソ良いキャラだったからなぁ。

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元の世界へ

武はそれまで何度か世界を渡っているが、これは真の逃亡である。
純夏をマブラヴEXTRA編以来に目にした時は涙が出そうになった。
いつから自分の中でここまで純夏が尊い存在になったんだ?
おそらく夢の中で散々純夏を見せられたためだろう。
他のヒロインが霞むくらいには純夏の存在が大きくなった。
ところが、何?因果導体?
推測だが、あの事故で純夏はほぼだるまのような存在になっているはずだ。
これは、並列世界で純夏が脳と脊髄のみの状態となっているためと考えられる。
いやまりもちゃんといい本当にえげつない展開だわ。
夕呼先生はどちらの世界でも天才なんやな、と。
それにしたって説明は半分も理解できていないと思う。


00ユニット

帰還後まさかの00ユニットで驚いた。
驚愕。もう会えないと思っていた純夏が目の前にいるんだから。
しかしながら中身に全く純夏の面影がなく痛々しかった。
霞とのあやとりは微笑ましかったが。
徐々に武を認識し始めてくるとテンション上がった。
やっと純夏に近づいてきた、と。
この女の子がどれほどの兵器なのかこの時点ではわからなかったのだが...。


特殊任務部隊A-01第9中隊

伊隅みちる大尉を中隊長とする、香月夕呼副指令の直属部隊。
伊隅戦乙女中隊。
いや、皆魅力的なんだわ。
207訓練小隊を除くと、
伊隅みちる大尉
速瀬水月中尉
涼宮遥中尉
が他作品のヒロインで、特に自分は速瀬中尉が好きだった。
かなりサバサバしてるのに可愛い。
君望をマブラヴの次にプレイするので楽しみ。

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甲21号作戦

佐渡島ハイヴ制圧作戦。
マブラヴはここから始まるのか、と。
ここまではあくまでも前置きだったと理解させられた。
武の成長が大いに見られたことが印象に残っている。
要塞級の群れに単機で突っ込んだことにヘタレと呼ぶ人はいるまい。
XG-70凄之皇が制御不能になったシーンで、その直前の武の思考から原因の推測は容易だったが、ここに純夏らしさが見えたことに嬉しく思った。

ただ何といってもこの戦闘は伊隅大尉と柏木少尉だろう。
初めてマブラヴで泣いたのはこのシーン。
最後のやりとりだろう。
「──行くぞヴァルキリーズ!全機続けぇッ!!」
このセリフがカッコよすぎたがために、しばらく頭から離れなかったが、最後の別れのシーンは泣かざるを得なかった。
俺ももっと伊隅大尉を見ていたかったよ…。
夕呼先生の気遣いにも涙が止まらなかったね。

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少し話が逸れるが、ここで軍艦について気になる点が存在した。
まず、旗艦が最上型重巡洋艦最上なのだ。
さらに、大和型、加賀まで登場する。
紀伊型は八八艦隊計画で中止になった方ではなく大和型の後継として計画されていた方のようである。
第二次世界大戦後も引き続き運用されていたのだろうが、耐久性が心配だ。
加賀に至っては竣工したのが1928年だから…仮に八八艦隊計画のまま空母ではなく戦艦として竣工した場合はさらに早かったはず...。
1944年竣工のミズーリですら1992年に退役しているのに...。
米海軍のアイオワ級も、建造中止になったイリノイ・ケンタッキー含めてウィスコンシン以外全艦参加してるしかなり長寿命だな、と。
もし仮に現実で戦艦の必要性が失われず、そのまま現役だったならばどれほどまで運用が可能だったのか気になるところだ。


横浜基地防衛戦

自分の中では一番辛かった戦闘。
甲21号作戦と比べて戦闘描写、特に戦死の描写が生々しかった。
BETAに喰われるシーン、BETAの衝角に溶かされるシーン。
なかなか心にクるものがあった。
やはりここでも戦友が...。
涼宮中尉のシーンはキツかった。
身体の不自由を失ってまで...。
警備兵…お前ら良い奴だな...と。
速瀬中尉は普通にカッコいい。
ガチ惚れした。
君望ではどういったキャラなのか、自分はまだ知らない()のだが、きっとサバサバしていて気持ちの良いキャラのはずだ…はずなんだ…!
何があっても推していくよ…。
何があっても…。

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00ユニットとの関係

横浜基地防衛戦の後、純夏との関係は大きく変わる。
あの振られるシーンはメンタルがやられる。
純夏の本当の想いが推測できるだけに余計に…。
そこで武に助け船を出す冥夜。
冥夜も武のことを想っているはずなのに…と思うと胸が締め付けられた。
00ユニットなのに号泣していたと聞かされた時はもう…ね。
恋愛の描写というのも上手く、この辺も人気たる所以なのかな。

純夏の過去回想シーン…アレは見ていて辛かった、が、同時にかなり興奮してしまった。
いわば純夏はBETAによって快楽堕ちさせられたということになる。
あのシーン回想、あのエロくもないCGと、虚ろな純夏と、文章だけで抜ける。
言い表せられない敗北感がたまらなかった。
NTRみたいなものか?
ヒロインが非処女、またはそれに準ずる存在であると興奮していろいろ想像してしまうのはエロゲーマーとしては仕方のないことなの…かもしれない。


あ号作戦

まずネーミングからして暗雲が漂っている。
大日本帝国海軍が計画して見事に失敗した作戦だし。
この世界で存在したのかは不明だが。
まず、軌道降下から始まる挿入歌「未来への咆哮」がアツすぎる。
駆逐艦たちの壁がもうね。
一文字鷹嘴、夕凪艦長として出てきて一番カッコよいセリフを残していく。
あの走り屋がねぇ…。

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ラザフォード場が最強ということがよくわかるといったこと以外最深部まで特に何もないのだが、ここからがあ号作戦。
あれだけいがみ合っていた慧と委員長があの共闘。
そしてあの最後。
マブラヴから続く二人の関係に終止符が打たれた瞬間は、本当の意味でお互いのことを理解し認め合った、そんな最期だった。
その描写に思わず鳥肌が立った。
ボタンを押すところなんてまさにそう。
最後の最後まで二人らしい終わり方だった。
たまも美琴もね...。
あの二人は最初からあの結末を覚悟していたのか...。
二人の勇敢な姿に感服した。

冥夜の最期の告白。
あれは冥夜らしい告白というか…だが泣かざるをえない。
あそこであの告白は素晴らしすぎる。
愛する者の手で...って泣くしかない。
わかっていたことではあったが、彼女は武のことを愛していたにもかかわらず、純夏とのことを後押ししたのだ。
最期の最期まで冥夜だった。

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以前の武だったならば、あそこでトリガーを引くことはできなかっただろう。
あの告白シーン、そしてトリガーを引くシーン、彼女が姉と通じ合ったシーン、どれをとっても泣いた。

最後は純夏。
彼女は限界を超えて戦っていた。
彼女が最期、荷電粒子砲を打てるまでにしたのは、武の冥夜への想いによる嫉妬からであると考えられるが、その最期ですら彼女をそのまま表現したようなものだった。
純夏にしろ冥夜にしろ、最期は二人とも自分を思う存分発揮していた。
表現が本当に秀逸だった。
霞の武への報告、さらに武の咆哮。
ここでも心が震えた。
武の純夏への想い、そして純夏の武への想いが溢れ出た瞬間、涙が止まらなかった。

ラストのアニメーションで流れる、美琴父、たま父の姿は父親というものを存分に表現していた。
人類のために、命を犠牲にした娘たちに対して、一体どのように思っていたのか。
これは、現実での第二次世界大戦で息子たちを送り出した親たちを表現していると推測できる。
かつてはお国のため、そしてマブラヴでは人類のため。
私たちにはその想いを想像することすら不可能である。

夕呼先生にとって、まりもちゃんはやはり唯一無二の存在だったのだと確認した。
遺影を持っている姿。
これが全てを物語っていた。


遺書と告白

冥夜以外の遺書と、霞の告白。
特に慧の遺書が印象に残っている。
霞の告白も、その後のマブラヴに続くと思うと素晴らしい。
霞の想いは、彼女自身の想いであったと信じている。
…回収が面倒くさかったけどね…。


マブラヴ

まさか将軍殿下までいるとは…。
いや、この雰囲気が自分は好きだ。
ただ、この作品をやりきると、もう純夏しか見えない。
やはり幼馴染は最強だったのだ。
いっそのこと選べないしハーレムエンドで良いのでは?
霞の涙は…尊かった。


作品のメッセージ性

一つは、日本の現実を憂いているということ。
一つは、戦争という現実の悲劇。
一つは、人の愛。
こんなところなのか?
自信はないが、自分はそう感じた。
特にこのラダビノット司令の言葉は重かった。

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全体として

トータルで35時間ほど、マブラヴと合わせて65時間ほどかかった。
マブラヴオルタネイティブの前にマブラヴを全てプレイすることは必須である。
細かいネタ・ストーリーが汲み取れないためだ。
古いオタクが推してくる理由も理解できた。
自分もあの時代をリアタイで知っていたなら、推しているかもしれない。
現在、これほどのスケールの作品が発売されることがあるだろうか。
これが本当のフルプライスなのかもしれないと思わざるを得ない。
マブラヴという作品を知ることができて本当に良かった。
マブラヴの他のシリーズもプレイしていこうと思う。
純夏は至高の幼馴染。