ATRI -My Dear Moments- 感想

結論から言うと神ゲー。
全年齢ということで全く期待していなかったのだが、それを良い意味で裏切ってくれた。
全てにおいて高クオリティであった。

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関わっているメーカーが、前翼、枕で、ライターが紺野アスタ氏。
極めつけが全年齢。
何を期待すれば良いのか。
同ライターの作品は、「見上げてごらん、夜空の星を」のみのプレイとなるが、あまり合わなかった。
前翼も枕もフルプラエロゲをここ数年全く出していない
ゲームの起動時に、アトリちゃんが「フロントウィング!」「枕!」「アニプレックスエグゼ!」と3連続で元気よく声に出すものだから、初めて開いたときは爆笑してしまった。
そういったことから、全く期待できなかったことは想像に難くないだろう。
唯一の救いは、背景がわいっしゅ氏であったことくらいであろうか。

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いざ始まってみると、舞台が現実離れしすぎている感があったものの、アトリちゃんの可愛さでそれについては気にならなかった。
声優の声が合いすぎている
素晴らしいマッチング具合であり、この声がなければここまで魅力的には映らなかっただろう。
ヒロインがロボットというと、その時点で少し身構えてしまうのだが、この子はそういった違和感を感じさせなかった。
アンドロイドものと言えば、今年は「神様のような君へ」というエロゲが出ている。
こちらは、ロボットであるという一面を前面に押し出している。
また、そのことによって非現実的な要素が明確になってしまいイマイチ世界観に浸ることができなかった。
だが、この作品は、ヒロインがアンドロイド(ヒューマノイド)であることが問題なのではなく、彼女に心が存在するか否かがテーマとなる。
そのテーマが、こういった問題は今後起こりえるかもしれないというリアリティを想起させる。
アンドロイドに心が存在するか、というテーマは、題材としてよく選ばれているように思うが、この作品はデジャヴ感が少ない。
彼女のアンドロイドである一面と、人間のような一面が本当にバランス良く混在しているのだ。
人間のような一面が、非常にプレイヤーに好印象を与えるため、アンドロイドとしての一面が問題になった時に、どうしても守ってあげたいという気にさせる。
キャラクター設定、舞台設定が綿密に練られていて、違和感をプレイヤーに与えないというのは本当に素晴らしい
相変わらずテキストは冗長気味なのだが…

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アトリ自身が自分に心がないと思い込んでいるところも良かった。
好きという感情に何とかして理由を付けなければならない。
そんな彼女が、魅力的に映らないことがあるだろうか。
寝起きの彼女は機械的ではなく、本能のままに動く。
だからこそ、終盤でも主人公に寝起きだけは甘えるのだ。
心を自覚してからの彼女の攻撃力はすさまじい
主人公を想って狼狽える姿。
抱きつくことを厭わない彼女。
そして最後の別れ。
一日残しての別れ。
ここで鳥肌が立った。
一日残すということの意味を。
どこまで考えられて作られているのか。
まさしく神ゲーである。
ここで泣いてしまった。

また、サブキャラクターも良い味を出していた。
やはり親友枠がしっかりしているゲームは良作になると確信した。
彼女だけは可哀想な気がしたが…。

さらに、原画・背景・音楽。
シナリオだけではない。
全てにおいて最高のクオリティ。
アトリにあの原画はかなり合っていたし、あの背景だからこそ出せた雰囲気もある。
音楽にはどことなく枕を感じたが、世界観を盛り立てるものとなっていた。
特にOPに枕を感じたかな。

ただ、このゲームには一つだけ足りないものがある。
それは、Hシーン
ヒロインとの関係が最高潮に達した時に、ただ抱きつくだけとは。
いつもならここでHシーンが入るのだが。
おかしくないか?
エロゲライターが書いてて前翼がいて枕がいるのに?
わかってはいても悲しいものだ。
このゲームをPULLTOP制作で出さなかったことは最大の失敗である。
X-ratedが出る日を心待ちにしている。


全体として

徒花異譚にしてもそうだが、アニプレのプロデュースはどうなっているのか。
ライターがすごいのかプロデュースがすごいのかはわからないけれども。
ノベルゲーノベルゲーと言っているが、それは逃げでしかないので、次はエロゲとして出してほしい
これが2000円というのはあまりにも安い。
これが業界のスタンダードになるとしたら、プレイ人口は増えるかもしれない。
文句なしで現段階での今年のエロゲ(仮)1位と2位なのね。
どちらが上かはまだ判断しかねているが。